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活動の背景

取り組みのきっかけ

 大越町の保健師は、それまで、疾病予防を中心に活動していきて、毎年繰り返しても変わらない健康教育の在り方に疑問を持つ近隣町村の保健婦や保健所保健婦が1987年頃から集まり、学習の場を持つようになりました。

 特に、保健所保健婦が、学習を呼びかけたり、場を設定したりと、仲間づくりに中心的な役割を果たしてくれました。共通の悩みを持つことを知った私たち保健婦は、松下先生を招いて県内の保健婦に呼びかけ、自主研修を企画、運営したりと、今までになかった新たな視点を持って住民の生活を見る活動ができるようになりました。

 こうした学習会を通して、住民には力があると気づき、本音を聞くことの大切さや、今まで何とも思わなかった行政のあり方に対する疑問がわいてきました。

 もっと住民の力を出せる場があればと考えていた1993年、県から新しく赴任した助役さんの助言もあり、今回事例取り組みのきっかけとなった地域保健特別事業を実施することになりました。

当初の構想

 この事業の当初のねらいは、住民の力を高齢化社会の中で生かすことでした。そしてそれは、保健活動の予防の視点を持ち、ともに支え会える地域づくりを目指すものでした。

 具体的には、住民の学習を通して、自主グループを育成し、それらのグループが互いに結びつき、ネットワークをつくりあげていくという構想でした。例えば介護を考える会や、子育てを考える会などです。

活動の始動

 まず、この事業の進め方について 課長会で話をし、他課長の理解を得て、この事業を理解してもらい、一緒に進めるために、行政職員によるプロジェクトチームを設置しました。そこでの話し合いから、モデル地区として白山区を選び、地区の住民に呼びかけ、住民の組織として「白山区すこやかな地域づくり推進員会」を設置しました。そして、住民の学習会を開催し、本音で語ることの楽しさを体験してもらいました。

 一方、プロジェクトチームは町職員と住民が一緒になっていきいきと活動している先進地として、熊本県蘇陽町と長野県松川町に視察研修に行きました。

 視察研修にいった人たちから、松川町では、すごい住民のエネルギーに感心したという感想や、蘇陽町では、町民を主人公にした行政の姿に感動したなどの感想が聞かれ、特に蘇陽町では、いきいきと話してくれた課長さん、保健婦さんから、住民と同じ夢を持つことの楽しさが伝わってきました。この研修に参加したことで、それまで、この事業を否定的にとらえていた職員もみんなと同じ思いになったような印象が得られました。

 また、蘇陽町では担当保健師が、地域づくり型保健活動と出会い、モデル地区での活動もこの進め方でできないかと担当保健師は思いました。

 当時、県立総合衛生学院では、地域づくり型保健活動を教育に取り入れ、岩永先生の講義が年間数日、オープンの講座として設定されていました。

 そこで、県立総合衛生学院の先生や、講座の日にあわせて岩永先生に会いに行き、助言を得ながら住民と一緒に障害を持ってもいきいきとした生活ができる地域を目指して、この地域に必要な条件を整えるための役割などの話し合いを始めました。